歴史学科

日本史学

日本史研究室では、ほぼ全時代・全分野の研究ができるようになっていますが、各教員の研究領域との関係で、特に近世史とその前後の中世・近世移行期、近世・近代移行期に重点を置いたカリキュラムを組み立てています。

nihonshi_03.jpg2年次から始まる専門教育では、本学に寄託・架蔵されている永青文庫細川家文書や阿蘇家文書など数多くの古文書・古記録史料を駆使して、史料の読解力を養うことを主眼としています。また3年次に実施する野外実習では、未整理の文書群を素材に、目録作成から写真撮影、関係する遺跡などのフィールド調査、さらに保存・活用法の策定までを、その古文書が伝来してきた現地で行うことによって、歴史の理解を立体的なものにすることを目指しています。

nihonshi_04.jpgまた本研究室に備え付けのパソコンを用いてのデータ解析や地図作製が行えるような実習も講義の中で行っています。ただし、データ収集や解析技術だけに長けていても研究できません。卒業論文のテーマを各自がきめて、論文の完成に向け邁進するために、研究目的を明確にし、適切な研究方法を確立するための勉強が必要です。ゼミや講義は無論のこと、講義外の時間でも研究室で、教員、先輩らとの活発な討論の場が生まれ、地理学的センスを培う機会はいくらでも求められます。内外の風土に学生らしい新鮮なメスをあて、新しい学問の姿を創造してほしいと思います。

授業内容と授業科目例

学年 授業内容 授業科目例
特色:古文書実習と演習を中心とした、積み上げ型の指導。
2年次 基礎知識の修得。古文書の解読法、取り扱い法を学ぶ。 日本史概説Ⅰ・Ⅱ
歴史資料学実習A
歴史資料学演習A
3年次 調べ、発表し、討論する力を養う。研究テーマをみつける。 歴史資料学特殊講義A
歴史資料学野外実習A
課題研究指導Ⅰ・Ⅱ
4年次 卒業論文を作成する。 課題研究指導Ⅲ

卒業論文のテーマ例

山城国一揆と地域社会/中世の紛争関係にみる御供人身分/豊臣政権における細川幽斎の役割/近世作付制限令と食料増産・確保体制の変遷/長崎奉行にみる漂流民対処の実態/宝暦の改革以降の熊本藩における刑法の運用と盗み/幕末期における農兵の実態とその歴史的意義/近代日本の地方行政機関にみる兵事行政/大正・昭和期の物価変動と公設市場

メッセージ

安高 啓明先生(日本近世史・法制史)

日本史学研究室では、古文書を正確に読み解き、歴史の構造体を明らかにしていく“実証史学”の手法を身につけていきます。特に、江戸時代から明治時代にかけては、多くの古文書が残されており、支配者側の意向はもとより、地域社会に生きる人々の実態までも縦横断的に明らかにしていくことができます。
私が専門にしている近世社会をみても、当時の支配者は合法的支配を展開しており、多くの民衆もこの体制を受け入れていました。例えば熊本藩では、「刑法草書」という法律書をもとに多くの犯罪が裁かれ、適法性が審議されて処分が下されていました。これらの古文書からは、テレビドラマや時代劇の演出とは一線を画したリアルな人間社会が浮き彫りとなります。また、附属図書館には、細川家の古文書(永青文庫資料)が膨大に架蔵されています。これを直接手に取り、研究素材にすることができる環境は、国内外でも決して多くありません。史料に真摯に向き合うことで発見を生み、歴史に新たな一ページを刻むことができます。

「歴史から何ものをも学ぼうとしないならば、ある時、歴史から手痛いしっぺい返しを受ける可能性がないとは決していえない」(大塚久雄)

歴史を研究することは、現代的意義を創出し、今後自身がどうあるべきか導き出す作業であり、まさに“生きた学問”です。混沌とした現代社会だからこそ、学ぶ意義と価値があります。高校まで習ってきた日本史の深層部分を一緒に探していきましょう。

福丸 恭昂(3年)

日本史研究室では、歴史資料である古文書の読解を主な手段とし、ゼミなどの演習を通じて歴史学の考え方を修得していきます。
例えば、中世・近世・近代の時代ごとに、担当教員のご指導のもと、グループや個人でゼミの発表を行います。これにより、どの時代を卒業論文で扱うことになっても対応できる力をつけることができます。また、2年次での歴史資料学実習では古文書読解の基礎を身につけ、3年次では実際に史料を扱う実習に参加します。
以上のカリキュラムを通して、高校までは見えてこなかった新たな視点から、現代の日本社会も理解できるようになります。夏休みには古文書合宿(3年次)や研究室合宿(2~4年次)なども行なわれ、より専門的に学ぶことができる機会があります。研究室の横のつながりのみならず、先輩・後輩でサポートし合える環境が整っていることも魅力の一つです。

  • 大学院社会文化科学研究科
  • 熊本大学文学部附属永青文庫研究センター

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